デジタル終活のやり方|スマホでできる家族への備え

エンディングノートを書き始めてから、お金のことだけでなく、スマホの中も備えておいた方がいいと感じるようになりました。

今回は、50代の私が実際に確認してみた「デジタル終活」の小さな準備をまとめます。実例はiPhone中心ですが、考え方はAndroidでも共通です。

⚠️ パスワードや暗証番号をメモに残すときは、書く場所と保管方法に注意してください。スマホのメモやスクショに残すのも、流出のもとになるので避けるのが安心です。

デジタル終活とは

「デジタル終活」と聞くと、少し大げさに感じますよね。要は、スマホの中を家族にも見えるようにしておくことです。

写真、連絡先、銀行やカードのアプリ、サブスク、LINE。家族が知らない大事なものが、スマホひとつにこれだけ入っています。

やっておくと、残された人がずっと楽になります。

まず確認したいのは「2つの鍵」

最初に確認するのは、この2つです。

  1. 画面ロックのパスコード(スマホを開ける鍵)
  2. Apple IDやGoogleアカウントのパスワード(アカウントの鍵)

②は、このあと紹介する「もしものときの備え」を設定するときに使います。

なお「Apple ID」は最近「Apple Account」に名前が変わりました。中身は同じものです。

Apple IDのパスワードとは?

Apple IDとは、登録に使ったメールアドレスのことです。iPhoneの「設定」を開くと、一番上に表示されています。

私はこのパスワードを、画面ロックの数字やFace IDと同じだと勘違いしていました。実は、別物です。

  • 画面ロック=スマホを開ける鍵(毎日何十回も使う)
  • Apple IDのパスワード=アカウントの鍵(新しい端末へのサインインなど、たまにしか使わない)

日常でほとんど使わないからこそ、「そんなパスワードあったっけ?」と忘れやすいんです。

スマホの画面と紙のメモを見比べて考え込む女性のイラスト

パスワードがわからなくても大丈夫。「設定」→自分の名前→「パスワードとセキュリティ」から変更できます。今のiPhoneの画面ロックさえ解除できればOKです。

解決策は「故人アカウント管理連絡先」

もし家族が亡くなったら、そのスマホをどうしますか?

実は、ここに大きな落とし穴があります。

  1. パスコードがわかれば、写真は残せます
  2. でも、売る・譲る・使い続けるには、初期化だけでは足りません(原因は「アクティベーションロック」。次で説明します)
  3. そこで必要になるのが「故人アカウント管理連絡先」です

試しに自分のiPhoneで設定画面を開いてみました。

数分で終わる、あっけないほど簡単な設定。だからこそ、早めにやっておくのがおすすめです

iPhoneの故人アカウント管理連絡先画面
iPhoneの「故人アカウント管理連絡先」画面。個人名が出る部分は切り取っています。

設定場所は、「設定」→自分の名前→「サインインとセキュリティ」です。機種やiOSによって表示が違うこともあるので、詳しくは記事末尾のApple公式情報をご確認ください。

Androidの方は、Googleの「アカウント無効化管理ツール」が同じ役割をします。こちらも記事末尾のリンクからどうぞ。

アクティベーションロックについて

アクティベーションロックは、iPhoneに最初から入っている盗難対策の仕組みです。持ち主以外が勝手に使ったり売ったりできない、いわば「二重の鍵」。正直、私も名前しか知りませんでした

このロックを外すには「故人アカウント管理連絡先」の設定が必要です。ただし、設定した時点で外れるわけではありません。実際の手続きは、本人が亡くなったあとに家族が行います。

  1. アクセスキー(設定時に発行されるコード)と死亡証明書を用意する
  2. Apple公式サイトから申請する
  3. 承認されると、ロックが解除される

写真や動画は、残したいものを決めておく

写真や動画は、デジタル終活の中でもいちばん気持ちが動く部分です。全部を整理するのは大変なので、「これは家族に残したい」写真だけ、フォルダやアルバムにまとめておく。それだけで家族はかなり助かります。

海の写真をスクロールしていたら、ふと手が止まりました。「あ、このとき、みんなで走って波を追いかけたな」。写真一枚で、あの日の空気まで戻ってくる感じがします。

その一方で、似たような写真や、何を撮ったか覚えていないスクショも山ほど出てきます。全部きれいに整理する自信はありません。でも、「これだけは残したい」がパッと分かれば、それで十分だと思っています。

スマホで昔の家族旅行の写真を見返す女性のイラスト

お金に関係するアプリは、一覧にする

デジタル終活で忘れやすいのが、お金のアプリです。銀行、証券、クレジットカード、電子マネー、ポイント、家計簿アプリ。スマホの中にあるだけで、家族には存在すら見えません。

大事なのは、残高やパスワードを細かく書くことではありません。まずはこの3つを一覧にするだけで違います。

  • 使っているサービス名
  • 支払いに使っているカード
  • 問い合わせ先

私なら、メモアプリか紙に「銀行」「カード」「決済アプリ」「サブスク」「写真」の5つの見出しを作って、サービス名を書き出します。細かい情報は、後から足せば大丈夫です。

お金まわりをじっくり整理したい方は、こちらもあわせてどうぞ。

エンディングノートを書く前にやること|お金まわりの身辺整理から
エンディングノートを書く前に、銀行口座・クレジットカード・サブスク・保険を整理した50代の体験談です。家族への引き継ぎをシンプルにする手順と、一度に全部やらず少しずつ進めるコツを紹介します。

サブスクは紙に書き出すと見えやすい

サブスクは、使っている本人でも忘れやすいものです。月額が小さいと、そのままになりがちなんですよね

私は、使っているサブスクをそのまま紙に書き出してみました。Claude ProやCodex(私が使っているAIサービス)、1Password(パスワード管理アプリ)、Amazonなど。ついでに解約方法もメモしておくと、いざというときだけでなく、自分自身も助かります。

サブスク解約方法を紙に書き出したメモ
完璧でなくても、見える形にするだけで安心感があります。

このメモは、家族のためだけではありません。「今、何に毎月払っているのか」を見直すきっかけにもなります。続けるもの、やめるものを整理するだけで、気持ちも家計も少し軽くなります。

LINE・SNS・メールは、どうしてほしいか考える

LINEやSNS、メールは、人によって扱い方が違います。残してほしいものもあれば、見られたくないものもあります。

だからこそ、希望をメモに残しておくと、家族が判断しやすくなります。

  • このアカウントは残したい
  • これは削除でいい
  • この人には連絡してほしい

この3つで十分です。書いた通りに全部できるとは限りませんが、「本人がどうしてほしかったか」が分かるだけで、家族の迷いはずいぶん減ります。気持ちの部分なので、ここは自分の言葉で書いておくのが大事だと思いました。

完璧じゃなくても、地図を一枚残しておく

デジタル終活は、一日で終わるものではありません。私もまだ、全部が整っているわけではありません。

正直に言うと、亡くなったあとのスマホのことが、こんなに大変だとは思っていませんでした。

「何から始めよう」と迷ったら、まずはこの3つから。

  1. Apple ID(Apple Account)のパスワードを確認する
  2. 「故人アカウント管理連絡先」を設定する
  3. お金まわりのサービス名を紙に書き出す

どれも、絶対にやらなければいけないものではありません。でも、やっておくと残された人がずっと楽になる。それだけで、やる価値はあると思いました。

スマホの中は、自分には当たり前でも、家族には見えない場所です。だからこそ、「何があるか」の地図を一枚残しておく。それだけで、立派な備えになります。

私は、スマホの中に何があるかを紙に書き出すところから始めました。家族に伝えておきたいことを一つ残すだけでも、この備えは前に進むと思います

参考にした公式情報

身辺整理からデジタルの備えまで、全体の流れは50代の身辺整理ロードマップにまとめています。

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