就労移行支援はどう通う?半年通って見えた現場のリアル [親の体験・第2話]

——半年以上通って見えてきた”現場のリアル”——

■ この記事でわかること

・就労移行支援所で行われるカリキュラム(講義)の内容
・個別支援計画書を使った”振り返り”がどう進むか
・就職活動で本人が経験することと、支援員のサポート
・通所中に起こりやすい”つまずき”がどう学びにつながるか
・合わない場合の変更や辞める判断について

第1話では、制度や見学で感じたことをまとめました。
今回は、実際に半年以上通った中で見えてきた”現場のリアル”を、親の視点でお伝えします。

■ 通い始めてから半年の変化

通い始めた頃(最初の1-2ヶ月)

息子は、通い始めた頃、楽しそうでした。

新しい環境への期待もあったのか、
行く意欲が強く、
毎日きちんと通所していました。

親としては、
「ちゃんと通えている」
それだけで安心していた時期でした。

3ヶ月頃

3ヶ月経った頃も、
大きな変化は見えませんでしたが、
息子は頑張っていました。

どの講義を受けようか、
何に取り組もうか、
自分に合うものを模索している様子でした。

スタッフの方と相談しながら、
少しずつ自分のペースを掴んでいっているように見えました。

半年頃

半年が経つ頃には、
だいぶ慣れてきたように感じました。

やることも見えてきて、
少し余裕が出てきた反面、
慣れが出始めた時期でもありました。

新しい利用者さんも増えて、
周りのことが気になり始めたようでした。

講義も積極的に受けていましたし、
いろいろ学んでいたと思います。

ただ、人が増えたことで、
少しずつ人との関わり方に
問題が出始めた頃でもありました。

■ 一つずつ受け進める講義スタイル

支援所の講義は、学校とはちがい”働くための基礎力”を丁寧に育てるものでした。

息子の支援所では、講義を一つずつ受けていく形式でした。

たとえば、カリキュラムには次のような内容があります。

【カリキュラムの例】
・あいさつ
・報連相
・コミュニケーション練習
・マナー講座
・PC初心者講座(資格の基礎)
・作業訓練

日々の講義の積み重ねが、社会に出るための土台になっていました。

そして、他にも
“ゆずりあい”や”人とのやり取り”は、支援所で過ごす中で学んでいけると感じました。
利用者さん同士で関わる時間そのものが、大きな練習の場になっていたのだと思います。

■ 半年ごとの”個別支援計画書”の振り返りと面談

通所の節目には、個別支援計画書をもとに自分の状態を振り返る機会があります。

半年ごとに、個別支援計画書の内容を見直しながら、息子・支援員・親の三者で面談を行います。

【個別支援計画書で確認する項目の例】
・今の気持ち
・困っていること
・通所の進み具合
・今後の方向性
・新しく挑戦したいこと

支援員さんと一緒に、現在地と次の目標を丁寧にすり合わせる時間でした。
親として、息子の状態を”客観的に知れる場”としてとても助けられました。

■ 就職活動は”息子が主役”、支援員は伴走役

就職活動では、基本的に息子が自分で求人を探し、
支援員さんが必要な部分をサポートする形でした。

支援員さんは、
・求人票の見方
・応募書類の作成
・面接練習
・必要に応じて面接同行
といった形で丁寧に伴走してくれました。

息子は主に軽作業の求人を探していました。

数社に応募しましたが、
面接までこぎつけることはできませんでした。

それでも、応募書類を作る練習や、
面接を想定した受け答えの練習を重ねる中で、
少しずつ変化が見えてきました。

言葉遣いが丁寧になり、
社会のマナーのようなものが
少しずつ身についてきたように感じました。

最初の頃に比べると、
話す時の言葉選びが柔らかくなっていました。

結果には至りませんでしたが、
その”変化の積み重ね”が大切だったと、
今では感じています。

■ 通所中のトラブルも”学び”だった

トラブルは”失敗”ではなく、社会に出る前に気づくための大切な経験でした。

通所の中では、息子にとって難しい場面がいくつかありました。

たとえば、
人との距離感がわからないこと。
興味や知りたい気持ちが先に動き、
相手がどう感じるかを想像しきれないことがよくあります。

また、
思い込みで行動してしまい、
後から「違った」と気づく出来事もありました。
確認が抜けやすい特性から起きるつまずきです。

支援員さんとは、
・何が起きたのか
・相手はどう受け取るか
・次はどう動けば安全か
という点を一緒に整理しながら進みました。

それでも、同じ場面に迷うこともありました。

今も似た迷いが出ることはありますが、
特性と向き合いながら少しずつ進んでいるところです。

そして、親として胸がざわつくこともありました。
けれど、支援所は”経験を重ねられる場”でもあり、
社会に出る前にいろいろなことを試すことができました。

■ 合わなければ辞めても大丈夫?

支援所は”学校”ではなく、合う・合わないで選び直せる場所です。

途中で辞めたり、別の支援所へ変更することもできます。
受給者証はそのまま使えますし、就職に不利になることもありません。
そもそも続ける義務はないので、安心して環境を見直せます。

そのあと大切なのは、本人が安心して通えるかどうかです。
環境を変えることでうまくいくケースもあると聞きます。

■ まとめ

半年以上通って見えてきたのは、
就労移行支援所は”小さな経験を積み重ねられる場所”。
そして、働くための練習ができる場でもあるーーそう改めて感じました。

・講義で「働くための基礎」を積み上げる
・個別支援計画書を通じて、気持ちと課題を整理する
・就活では、自ら動く力を育てる
・小さなつまずきを「学び」に変えていく

息子にとって、この時間は確かな成長につながりました。

そして、これから利用を考えるご家庭にとっても、
支援所は、さまざまな経験を積み重ね、次につなげていくための場でした。

次回は、就職後の生活や支援のつながりについて触れていきます。

▼前回の記事はこちら
👉 就労移行支援はどう選ぶ?【第1話】

▼ 次の記事はこちら
👉 就労移行支援のその後【第3話】

※この記事は、私と息子の経験をもとにまとめたものです。
支援内容や制度は地域や個々の状況で異なりますので、
最終的なご判断はご自身で確認していただければと思います。

コメント