——半年以上通って見えてきた“現場のリアル”——
✅ この記事でわかること
- 就労移行支援所で行われるカリキュラム(講義)の内容
- 個別支援計画書を使った“振り返り”がどう進むか
- 就職活動で本人が経験することと、支援員のサポート
- 通所中に起こりやすい“つまずき”がどう学びにつながるか
- 合わない場合の変更や辞める判断について
第1話では、制度や見学で感じたことをまとめました。
今回は、実際に半年以上通った中で見えてきた“現場のリアル”を、親の視点でお伝えします。
1. 一つずつ受け進める講義スタイル
支援所の講義は、学校とはちがい“働くための基礎力”を丁寧に育てるものでした。
息子の支援所では、講義を一つずつ受けていく形式でした。
たとえば、カリキュラムには次のような内容があります。
【カリキュラムの例】
- あいさつ
- 報連相
- コミュニケーション練習
- マナー講座
- PC初心者講座(資格の基礎)
- 作業訓練
日々の講義の積み重ねが、社会に出るための土台になっていました。
そして、他にも
“ゆずりあい”や“人とのやり取り”は、支援所で過ごす中で学んでいけると感じました。
利用者さん同士で関わる時間そのものが、大きな練習の場になっていたのだと思います。
2. 半年ごとの“個別支援計画書”の振り返りと面談
通所の節目には、個別支援計画書をもとに自分の状態を振り返る機会があります。
半年ごとに、個別支援計画書の内容を見直しながら、息子・支援員・親の三者で面談を行います。
【個別支援計画書で確認する項目の例】
- 今の気持ち
- 困っていること
- 通所の進み具合
- 今後の方向性
- 新しく挑戦したいこと
支援員さんと一緒に、現在地と次の目標を丁寧にすり合わせる時間でした。
親として、息子の状態を“客観的に知れる場”としてとても助けられました。
3. 就職活動は“息子が主役”、支援員は伴走役
就職活動では、基本的に息子が自分で求人を探し、支援員さんが必要な部分をサポートする形でした。
支援員さんは、
- 求人票の見方
- 応募書類の作成
- 面接練習
- 必要に応じて面接同行
といった形で丁寧に伴走してくれました。
複数の面接を受けましたが、ご縁には至りませんでした。
けれど、話す練習を重ねるうちに、息子の言葉選びが少しずつ柔らかくなる変化がありました。
結果よりも、その“変化の積み重ね”が大切だったと今では感じています。
4. 通所中のトラブルも“学び”だった
トラブルは“失敗”ではなく、社会に出る前に気づくための大切な経験でした。
通所の中では、息子にとって難しい場面がいくつかありました。
たとえば、
人との距離感がわからないこと
興味や知りたい気持ちが先に動き、相手がどう感じるかを想像しきれないことがよくあります。
また、
思い込みで行動してしまい、後から「違った」と気づく出来事もありました。
確認が抜けやすい特性から起きるつまずきです。
支援員さんとは、
- 何が起きたのか
- 相手はどう受け取るか
- 次はどう動けば安全か
という点を一緒に整理しながら進みました。それでも、同じ場面に迷うこともありました。
今も似た迷いが出ることはありますが、特性と向き合いながら少しずつ進んでいるところです。
そして、親として胸がざわつくこともありました。
けれど、支援所は“経験を重ねられる場”でもあり、社会に出る前にいろいろなことを試すことができました。
5. 合わなければ辞めても大丈夫?
支援所は“学校”ではなく、合う・合わないで選び直せる場所です。
途中で辞めたり、別の支援所へ変更することもできます。
受給者証はそのまま使えますし、就職に不利になることもありません。
そもそも続ける義務はないので、安心して環境を見直せます。
そのあと大切なのは、本人が安心して通えるかどうかです。
環境を変えることでうまくいくケースもあると聞きます。
第2話|まとめ
半年以上通って見えてきたのは、
就労移行支援所は “小さな経験を積み重ねられる場所”。そして、働くための練習ができる場でもあるーーそう改めて感じました。
- 講義で「働くための基礎」を積み上げる
- 個別支援計画書を通じて、気持ちと課題を整理する
- 就活では、自ら動く力を育てる
- 小さなつまずきを「学び」に変えていく
息子にとって、この時間は確かな成長につながりました。
そして、これから利用を考えるご家庭にとっても、支援所は、さまざまな経験を積み重ね、次につなげていくための場でした。
次回は、就職後の生活や支援のつながりについて触れていきます。
▼ 前回の記事はこちら
👉 就労移行支援はどう選ぶ?【第1話】
▼ 次の記事はこちら
👉 就労移行支援のその後【第3話】
📌 就労移行支援事業所を探している方へ(参考リンク)
支援所選びのイメージづくりの参考として、
全国展開している ミラトレ(パーソル) の公式サイトを置いておきます。
特定の事業所をすすめる意図はありませんが、
就労移行支援がどんなものか知るきっかけになればと思います。
👉 ミラトレ|就労移行支援事業所(公式)
働く未来をあきらめない就労移行支援【パーソルチャレンジ・ミラトレ】📌 お読みいただく方へ
この記事は、私と息子の経験をもとにまとめたものです。
支援内容や制度は地域や個々の状況で異なりますので、
最終的なご判断はご自身で確認していただければと思います。


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