発達障害のあるお子さんの進路で悩んでいる保護者の方へ。
わが家がたどった道のりを書いてみました。
進路の話をし始めたのは、中学3年になってからで、そこから私たちの迷いが本格的に始まりました。
当時は今ほど情報も多くなく、手探りの状態でした。
それでも「この子に合う道があるはずだ」と模索し続け、
最終的には、特別支援学校高等部を選んだ体験です。
最初に考えたのは専門学校
進路を考え始めたとき、
最初に思い浮かべたのは専門学校でした。
この子の得意なことが活かせるかもしれない。
そんな期待を持って、実際に見学にも行きました。
見学して感じた違和感
授業の進め方やクラスの雰囲気、
対人関係や生活の決まりごとを見ていく中で、
考える視点が少しずつ変わっていきました。
「通えるかどうか」ではなく、
「続けられるかどうか」。
勉強面だけでなく、
人との関わりや生活リズムも含めて考えると、
我が家には合わないと感じました。
専門学校は、ある程度の自己管理や
周囲とのやり取りが前提になります。
息子のことを考えてみると、
この環境で毎日を続けていく姿が、
どうしても具体的に思い描けませんでした。
この道はいま選ぶ形ではない。
そう判断しました。
支援のある学校を目指して
次に考えたのが、
支援を受けながら高校年代を過ごせる学校でした。
生活面や対人面も含めて見てもらえる環境で、
寮生活があることも魅力でした。
親としては、自立につながる経験をさせたい思いもありました。
簡単な試験と面接があり、準備をしましたが、
結果は不合格でした。
実は、高等支援学校は一校だけではありませんでした。
行かせたいと思っていた学校が、もう一つあったのです。
一校目が不合格だったとき、
落ち込んでいる時間はありませんでした。
次の可能性に向けて、気持ちを切り替える必要がありました。
けれど、その学校も結果は不合格でした。
その結果を受けて、
「なぜ難しかったのか」を、
自分たちなりに整理してみることにしました。
一つずつ振り返ったのは、次の点です。
・授業についていけるか、正直なところ不安だったこと
・困ったときに、すぐ相談できる場面が想像できなかったこと
・人との関わりの中で、ひとりになってしまいそうだと感じたこと
これらを一つずつ言葉にして整理したことで、
ただ落ち込むだけに終わらず、
気持ちの整理がつき、
次のことを考える余裕が生まれました。
そこで、立ち止まり、それぞれの選択肢を整理して考えてみました。
進路の選択肢を整理して考えたこと
| 選択肢 | よかった点(メリット) | 難しいと感じた点(デメリット) |
|---|---|---|
| 専門学校 | ・好きな分野が見つかれば意欲につながりやすい ・将来の仕事を具体的にイメージしやすい | ・授業スピードが速く、サポートは限定的に感じた ・対人面や生活面の支援は基本的に自己管理が前提 |
| 高等支援学校 | ・生活面や対人面も含めて支援がある ・寮生活など自立を意識した環境が整っている | ・試験や面接があり、誰でも入れるわけではない ・集団生活への適応が求められる |
| 特別支援学校 高等部 | ・本人のペースに合わせた支援が受けられる ・生活や気持ちの安定を最優先に考えてもらえる | ・進路の選択肢が限られると感じる場面もある ・周囲と比べて不安になることがあった |
選択肢を並べて考え、最後に残ったのは、
「当時の本人にとって、何を一番守りたかったか」
という問いでした。
特別支援学校高等部を選ぶまで
最終的に入学したのは、特別支援学校の高等部でした。
学習や就労よりも先に、
まずは毎日を安定して過ごせること。
頑張らせるより、
「続けられること」を大事にしたい。
そう考えたとき、
特別支援学校高等部の環境が、
一番無理がないように感じました。
入学式の日、
その場で迷いが消えたわけではありませんが、
後になって
「ここでよかったのかもしれない」
そう思えたことを覚えています。
振り返ると、回り道をしたように見えるかもしれません。
それでも結果的に、
入学式を迎えたその場所が、
その時の本人には一番合っていました。
進路の選択肢は、一つではありません。
進路選びでいちばん大切だったこと
この記事は、発達障害のある子を育てる中で、
進路や学校選択に悩んできた、
わが家の経験をもとに書いています。
今振り返って思うのは、進路選びで大切だったのは、
「正解を選ぶこと」よりも、
その時の本人にとって無理がなかったかどうか、
そこを基準に考え続けたことでした。
進路という言葉は、
どうしても「次へ行く」ことを連想させます。
けれど、立ち止まることや、
一度距離を置くことが、
結果的に本人を守ることもあります。
前に進む形だけが、進路ではないのだと思います。
※あわせて読みたい
特別支援学校高等部に通い始めた発達障害の息子と親の心の変化
入学後の親子の変化や、通い始めてから感じたことを書いています。
※この記事は、発達障害のある子を育てる中での、わが家の体験をもとに書いています。
進路や支援の内容、制度の受け取り方は、地域や学校、ご家庭の状況によって異なります。
特定の進路や学校をすすめるものではなく、ひとつの経験談として読んでいただければ幸いです。


コメント