家族だからこそ、
あとになって、あの一言を思い出してしまう日がある。
その場で、
言葉が先に出てしまった。
何度も同じことを伝えて、
返事はあるのに、状況は変わらなくて。
気づいたら、
大きな声を出していた。
「もういい加減にして」
そう言った瞬間、
部屋の空気が止まった気がした。
そのときは後悔していなかった。
自分を守るために、
あれでよかったと思おうとしていたところもあった。
でも夜になると、
さっきの言葉だけが何度も浮かんできた。
あの言い方じゃなくてもよかった。
伝えたかったのは怒りじゃなくて、
困っている気持ちだったはずなのに。
そのときは、
自分は悪くないと思っていた。
それが正解だったのかは、
今でもわからない。
翌日、
大きな話し合いはしなかった。
ただ、同じ家で、
同じ生活が続いた。
声をかけない時間もあった。
距離を縮めようとして、
やめた日もあった。
何かが解決したわけではない。
関係が良くなったとも言えない。
それでも、
朝は来て、
ごはんを作って、
一日は終わる。
家族との関係は、
言い過ぎたからといって
終わるものではない。
でも、
なかったことにもならない。
私は今も、
どう関わるかを考えながら、
同じ生活の中にいる。
それだけの話だ。
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👉 発達特性のある子が大人になってから身につける「人との距離感」
👉 発達特性のある息子の職場での「距離感のつまずき」
※この記事は、私個人の体験をもとに書いています。
状況や感じ方は人それぞれ異なる点をご理解ください。


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