就労移行支援 途中でやめてもいい? 第1話         

就労移行支援
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第1話|途中で辞めてもいい?

A. 私は「辞めてもいい」と思っています。
でも、うちは辞めませんでした。

就労移行支援に通所を始めた当初は、学べることが多く、本人も前向きでした。
新しいことを知るのがうれしそうで、講義にも積極的に参加していました。
「次はこれをやりたい」「あれもできそうだ」
そんなふうに意欲的に話す姿に、私も少し安心していました。

しかし、通所から一年が近づく頃、状況が変わり始めました。
人との距離感や関わり方について注意を受けるようになり、
就職を意識する時期に入ったことも重なって、
支援員さんの指導は、本人にとって次第に厳しく感じられるようになったのだと思います。

その頃から、家でこんな言葉を口にするようになりました。
「支援員さんが厳しい」
「人との関わり方がわからない」
——それは、本人の口から出てきた言葉でした。

以前のような前向きな話し方ではなく、
言葉の端々に疲れがにじんでいるのが分かりました。
その様子を見て、私は
「このまま続けるのは、もう無理なのかもしれない」
と感じたことも、正直ありました。

辞めたほうがいいのではないか。
ここで辞めたら、これまでの時間が無駄になるのではないか。
親として、どちらを選ぶのが正解なのか、分からずに迷いました。

それでも、うちは辞めませんでした。
大きな覚悟があったわけではありません。

講義を受け進めていくうちに、受講できる内容は少しずつ減り、
通う日数や時間も、自然と少なくなっていきました。
毎日通う形ではなくなったことで、
気持ちの負担も少し軽くなり、
結果として「なんとか続けられた」という面もあったと思います。

「今日は行けた」
「今週はなんとか通えた」
そんな小さな積み重ねを、続けただけでした。

結果的に、利用期間は1年半で終わりました。
就労移行支援の利用期間は原則2年ですが、
途中で辞めても、それまでの利用期間が消えるだけで、
条件次第では延長や、再び利用できるケースもあります。
「今やめたら終わり」というわけではない、と知れたことは、
親として少し安心材料になりました。

今振り返って思うのは、
就労移行支援は、途中で辞めてもいい場所であり、
揺れながら続けてもいい場所でもある
ということです。

だから、この質問をされたら、私はこう答えます。
「辞めてもいいと思います。でも、辞めなくてもいい。
その子と家族が、そのとき選べる形でいいと思います」

正解は、今も分かりません。
ただ、迷いながら過ごしたこの時間も、無駄ではなかったと思っています。

📘 就労移行支援Q&A シリーズ
👉 就労移行支援で支援員さんの言葉が、しんどくなったとき | Q&A 第2話」

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※お断りとして

この記事は、私自身の体験をもとに書いています。
支援の内容や判断は、人や状況によって異なりますので、
必要に応じて専門職や関係機関にも相談しながら進めてください。

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