― 不安から、少しずつ安心へ ―
これは、息子が特別支援学校高等部に通い始めた頃の、
親である自分の気持ちの揺れや変化を振り返った記録です。
いままさに進路のことで悩んでいるどなたかの心が、
ほんの少しでも軽くなるきっかけになれば、うれしく思います。
高等部に通い始めてからの親の気持ち
入学式の日、校門をくぐりながら、
「本当にこれでよかったのだろうか」という思いが消えませんでした。
周りには、同じように入学式を迎える親子の姿がありましたが、
私の心の中には、まだ迷いや不安が残っていました。
でも、それから数ヶ月、半年と時間が経つ中で、
私の気持ちは少しずつ変わっていきました。
同じような特性の子どもたちと出会って
■ 息子に見られた変化
通い始めて2ヶ月ほど経った頃でしょうか。
息子が学校での出来事を、少しずつ話すようになりました。
「今日、〇〇さんと一緒に掃除した」
「先生が△△って言ってた」
何気ない会話でしたが、
中学時代にはあまり聞けなかった話でした。
また、朝の準備も、以前より落ち着いてできるようになっていました。
中学時代は、登校前に気持ちが不安定になることも多かったのですが、
高等部に通い始めてからは、そういった様子が少しずつ減っていきました。
大きな変化ではないかもしれません。
でも、親としては「無理なく通えている」ことが、
何より安心材料になりました。
そんな中で、通い始めて、改めて気づいたことがあります。
息子と同じような特性をもつ子どもたちが、
想像以上にたくさんいるということでした。
その頃の私は、息子の状況をどこかで
「比較的軽い方なのかもしれない」と受け止めていたように思います。
けれど、さまざまな子どもたちと関わる環境に身を置いて、
自分の見てきた世界が、とても限られていたことに気づかされました。
先生方との関わりで生まれた信頼
やがて、先生方との関わりの中で、
親の私には見えていなかった視点にも、
少しずつ目が向くようになりました。
先生方は、日常的に多くの子どもたちと関わっておられるからこそ、
私が知らなかった見方や考え方を、
さりげなく示してくれたのだと思います。
たとえば、息子の様子について相談したとき、
「お母さんが心配されている部分は、学校ではこんなふうに見えていますよ」
と、別の角度から教えてくださることがありました。
家での姿と学校での姿が違うことに驚くこともありましたし、
私が問題だと感じていたことが、
実はそれほど大きな問題ではないと気づかされることもありました。
専門的な知識と経験を持った先生方が、
息子のペースを尊重しながら関わってくださっていることに、
少しずつ安心感を覚えるようになりました。
不安だった気持ちは、少しずつ信頼へと変わり、
やがて安心感へとつながっていきました。
振り返って思うこと
また、当時の息子は本当によく通っていたと思います。
・自宅から自転車で駅まで行く
・そこから電車で約20分移動する
・さらにバスを使い
・最後は歩いて学校へ向かう
決して、近い道のりではありませんでした。
最初の頃は、私も心配で、
「ちゃんと乗り換えできるだろうか」
「途中で迷ったりしないだろうか」
と、気が気ではありませんでした。
でも、息子は毎日その道のりを、ほとんど休むことなく通い続けました。
時には電車の遅延で遅刻することもありましたし、
疲れて帰ってくる日もありました。
それでも、翌朝になるとまた準備をして出かけていく姿に、
親として「この子なりに頑張っているんだ」と感じることができました。
今振り返ると、あの通学の経験そのものが、
息子にとって大きな成長の機会だったのかもしれません。
通う中で悩むことや問題もありましたが、
支援の手を借りながら、少しずつ乗り越えてきました。
今振り返ると、結果的にこの学校でよかったのだと思います。
進路に悩んでいる方へ
もし今、進路のことで不安を抱えている方がいたら、
「揺れながら、迷いながらで大丈夫です」と伝えたいです。
親も子も、少しずつ、
自分たちなりのペースで進んでいけたらと思います。
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